今回はリンパ浮腫の治療法の一つである
「医療徒手リンパドレナージ」
についてお話していきます。
前回は「スキンケア」についてお話をさせていただきました。
♦医療徒手リンパドレナージって?♦
医療徒手リンパドレナージ(以下リンパドレナージと表記)は
過剰に溜まってしまった組織液やリンパ液を、
適切な方向に誘導するマッサージ療法のことです。
皮膚のすぐ下にあるリンパ管に対して行うので、
皮膚を動かす(ずらす)ように優しくマッサージをします。
リンパ液のうっ滞により硬くなった皮膚に対しては、
ほぐし手技を行い状態を改善させます。
♦リンパドレナージの効果♦
・組織液、リンパ液の流れを改善させる。
・リンパ管に入るリンパ液の量を増やす。
・リンパ液の流量が増えることで、リンパ管の自動運搬能(※)が活性化する。
・リンパ管の機能を向上させる。
・硬くなった皮膚の状態を改善させる。
※リンパ管の自動運搬能とは?
リンパ管は自動で収縮をして、リンパ液を運んでいます。
1分間に約10回収縮するといわれており、
リンパ液の流量により収縮の程度が変わり、
約10倍~20倍に高めることができます。
リンパドレナージの他に、
筋ポンプ、関節運動、動脈の拍動、消化管運動、呼吸運動
などがリンパ液の流れを促す作用があります。
♦セルフドレナージについて♦
セルフドレナージは1日2回、朝と夜に行うのが理想です。
朝は一日の活動前にリンパの流れを良くすることで、
むくみを溜まりにくくする目的で行います。
夜はその日に溜まったむくみをリセットする目的で行います。
とはいえセルフドレナージはしっかり行うと、
1回あたり30分程かかってしまうものです。
朝は…
ストッキングやスリーブを付けるのに時間がかかるし、
セルフドレナージまでする時間がない!
夜は…
疲れてしまって、セルフドレナージをする元気がない。
こんな日もあると思います。
継続してケアをしていただくのが一番大事なので、
大変な時は1日1回でもOKです。
時間がないときは簡略化して行ってもいいと思います。
おすすめは入浴時にセルフドレナージを行う方法です。
湯船につかりながらマッサージをしたり、
身体を洗う時にセルフドレナージの手順にそって洗ったり。
身体を洗いながらマッサージをするときは、
素手に泡をたっぷりのせて、すべらせるように行いましょう。
次回は「圧迫療法」についてお話していきます。